院長ブログ
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呼吸と歯科治療

  • 2017年04月09日

    本日は呼吸を改善する矯正治療の勉強会に参加しています。

     

    矯正治療=歯並びの改善

    とだけ捉えられがちですが、私の考えはそれだけではありません。

    歯並びが悪い=顎の成長不全

    と捉えると歯科治療の意味合いが大きく変わってきます。

     

    上顎の上には鼻が存在します。

    口呼吸の改善を訴えている あいうべ体操の発案者の今井先生も、

    「鼻の基礎となる上顎が成長していない人が鼻が悪いのは当たり前」

    とよく仰っています。

     

    歯並びが悪い=顎の成長不全=呼吸不全

    と捉えると歯科が取り組まねばならないことが見えてきます。

    呼吸不全は脳や身体の発育に悪影響を及ぼすのは明らかです。

    また、近年大きな問題になっている睡眠時無呼吸症(心筋梗塞や脳卒中の原因の1つ)になるリスクを軽減できる可能性があり、アメリカのスタンフォード大学でも今回の勉強会で用いられている矯正装置が用いられています。

    (樹木希林さんが出ていたNHKの病の起源という番組で紹介されていたのを見た方もおられるのではないでしょうか)

     

    このような装置(スケルトンタイプの拡大装置)を用いて歯の位置移動ではなく上顎の成長を促します。

    image4

     

     

    上顎が成長することで気道が広がり、その結果呼吸の改善が生じます。(左が治療前、右が治療後、赤い部分が気道です)

    image1

     

     

    歯を並べるという考えだけなら、成長が止まってからスペースを確保するため歯を抜いて並べるということになりますが、

    今まで述べてきた考え、治療法は上顎の成長を促す治療法であるため、成長が止まる前(5歳くらいから10歳くらいまで)に治療を開始する必要があります。

     

    歯科から全身の健康へ貢献する

    このような医療を高い次元で提供できる医療機関となるよう、精進したいと改めて感じた講習会でした。