院内感染対策強化
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- 2020年06月04日
この度、新しい医療機器を導入いたしました。
施設内のすべての水を次亜塩素酸水に変えるシステムです。
次亜塩素酸は強力な殺菌力を持つため、水道水の中にも添加されています。
食品の洗浄にも用いられています。
今回の新型コロナウィルス感染症に関しても、巷を賑わせていますよね。
巷で問題になっているのは次亜塩素酸水の殺菌力ではなく、その適切な濃度が担保されているのかがわからないからです。
消毒薬の効果は、濃度と作用させる時間に依存しますが、一般的に販売されている次亜塩素酸水中の塩素濃度は、時間の経過とともに低下してしまいます。
濃度が低下してしまえば、効果も低下してしまいます。
この度導入したシステムは、作り置きではなく、常時次亜塩素酸水を作成し続けます。
1階の水道水の取り口に設置しますので、2階診療室だけではなく、1階の手洗い、トイレ、パウダールーム、施設内の全ての水が次亜塩素酸水に変わります!!!
車が買える!!お値段ですが、これって結構凄いシステムだと思っています。
この機械の本来の目的は、歯科治療の診療台中の水道水塩素濃度を担保するためのものです。
前記した通り、停留した水の中の塩素濃度は時間の経過とともに低下して行きます。
日本の水道水は世界でもトップレベルの安全性が担保されていますが、無菌にすることはできません。
一昔前、マンションやビルの水を飲んだ際、嫌な匂いを感じたことありませんか?
インフラが発展途中の海外や、古いホテルでシャワーを浴びた際、嫌な匂いを感じたことありませんか?
おそらくあれ、細菌やカビです…….。
一昔前は水道圧がないため、ビルの屋上に貯水槽を置き、そこから下の階に水を供給していました。
ビルの上に丸い玉や四角い箱がありましたよね。
使用量が減り、貯水槽の中に水が停留すると、塩素濃度が低下し水道水中の細菌が増殖する。
これと同じことが診療台の中で起きてしまうのです……。
お休み中に診療台の中に残った水の塩素濃度は、低下して行きます。
その時に水道水中にいる細菌が増殖し、配管内に張り付くことがわかっています。
非常に厄介な問題です。
意識レベルが高い診療室では、患者さんを通す前の朝の準備時に毎朝フラッシングといって診療台の水を全て抜く作業を行なっています。(もちろん当院も開業当初から行っています)
フラッシングでは約1/50程細菌量を減らせるとされています。
1/50って言ってますが、もともとはどんくらいいるのか気になりますよね…….。
一昔前から海外の一部の診療台中に消毒薬を流すシステムが導入されていましたが、日本のメーカーでこのようなシステムを持つものは今でもほんの一部です。
(当院で一番新しい診療台も、お休み前には消毒液を配管内に停留させています。)
ここにも日本のダメなところが浮き彫りです…….。
メーカー、行政(厚生労働省、保健所)、歯科医師会は知っているのにやらない、できない言い訳を並べる、どうすれば出来るか前向きな連携を取らない、めんどくさい事は後回し。
行政や歯科医師会がバチッと国民のためにルールを決めればいいだけです。本当に単純なこと。
我々は各歯科診療所に推奨します。なんてレベルで、莫大なコストがかかる機械を導入するわけがない。
子供でもわかる事。
そのために必要な予算や仕組みを作る事が政治家の役割であるはず。
診療台は国産の高級車が買える医療機械なのにもかかわらず、消毒するシステムを取り付けていない….。
売るだけ売ってあとはユーザー任せ。
この車に乗った人は感染するリスクがありますけど、あとは運転手さんが個人でなんとかしてね!
って、自動車業界だったらリコール問題だと自分は思います。
開業当初からメーカーに何度も何度も提案してきたのに、「いやー先生みたいに意識レベルの高い方は非常に少ないんで売れないんですよ』みたいな返答の繰り返し。
企業理念がほんと問われます。
話は逸れましたが
できない言い訳なんていいんで、できることをこれからもやって行き前進し続けたいと思います!!!