ゴールデンウィーク
-
- 2009年05月12日
ゴルデンウィークが終わりましたね。
皆さんはどのような休日を過ごされましたか?私はアメリカのワシントン州、シアトルに行ってきました。
親友がワシントン大学の歯学部の補綴科(入れ歯やかぶせ物治療を行う科)に大学院生として留学しており、彼主催のレクチャーの受講と家族旅行をかねてです。ワシントン大学歯学部は世界でも非常に優秀な歯学部で数多くの研究発表、教育カリキュラムが素晴らしいことで有名です。
日本の歯科医療でも歯周病、矯正、補綴等の各分野の専門家がそれぞれ専門治療を患者さんに提供するという考えが近年叫ばれていますが、ごく一部の医療機関でしか提供できていないのが現状です。
私が勤務していた大学病院でさえ十分に提供できているとはいえない状況でした。理由は矯正医は矯正治療のこと、補綴医は補綴治療のこと、歯周病医は歯周病治療のことしか分かっていないからです。
トータルで分かっているDrが非常に少ないのです。ワシントン大学のコースは、その分野のエキスパートになるためには各分野の研鑽も必要だと言う考えから、補綴科でも歯周病学の講義をかなり詳しく受講します。
矯正科でもおなじで、ただ歯を並べる知識・技術だけではなく、咬合(噛み合わせ)学、歯周病学の研鑽も積まされます。より良い治療を提供するためには各分野の知識も習得しなければならないと言う考えからです。
日本の教育とはかなり違います。また、アメリカでは専門医と一般開業医の住み分けが出来ているため、例えば高度な歯周病治療を行う技術の無い一般医は、歯周病の患者さんを専門医に紹介するというシステムが出来上がっています。
内科のかかりつけの先生のところで心臓の疾患が見つかった場合、内科の先生は心臓の治療はしませんよね?
循環器の専門医を紹介します。
アメリカでは歯科でも同じシステムなわけです。先日当院にも来院された患者さんは重症の歯周病でした、15年間近く歯科医院に通院中とのことでしたがブラッシング指導も受けておらず、歯石も着いたまま、最近になって歯がどんどん抜けてきたと言うことでした。
当院が歯周病専門医のいる歯科医院であるためなのかは分かりませんが、しばしばそのような患者さんが来院されます。
この方が5年前に適切な治療を受けていたら、この方の歯は何本助かっていたのかと思うと何のために歯科医師をやってるんだろうと悲しくなります。自分が治せない疾患を日本の歯科医師は背負い込む傾向が非常に多いように感じます。
すべての病気を1人で治すことなど、どんなに優秀なDrでも不可能です。これは今の保険診療のシステムの欠点の1つだと私は思います。
1年目のDrの治療費も10年目のDrの治療費も同じ、一般開業医と専門医も同じ、時間をかけてしっかり治療を行おうが時間をかけず適当に治療しても同じ。日本の保険診療は世界に誇る素晴らしいシステムなのですが、現在の世の中のニーズとかけ離れてきています。
痛みがとりあえず取れて噛めればいいと思っている患者さんなんて殆んどいないですよね?
新しい政党に変わって改善されればいいんですけどね。話がそれましたが、大学病院勤務時代の先輩、後輩、親友とも久しぶりに会うことが出来ました。
日本の歯科医療にに見切りをつけアメリカやカナダで開業し、活躍されている歯科医師や歯科技工士とも出会えました。
彼らとはメール仲間になったので海外の最新情報を今後も沢山得ることが出来そうです。セミナーでは今のアメリカの歯科治療はオールセラミックスを用いた審美歯科治療とインプラント治療が、補綴医も歯周病専門医にとって大きなウエイトを占めて来ているようです。
大学のキャンパスは日本とあまりの違いに愕然としました。素晴らしいの一言。感動もんです!!
八重桜が満開でその先にはMt.Rainier http://usanavi.hp.infoseek.co.jp/rain.html(カフェラテのパッケージに載っている山です、シアトル市民にとって日本の富士山みたいなもの)が正面に見えて、芝生の上では学生が寝っころがってPCでレポートを書いている…..。
自分の子供もこのような環境で教育を受けさせていと強く感じました。シアトルはカナダに近いためか湖や山自然が沢山あって本当に綺麗な町でした。
スタバのファーストストアもありますしね!!今回は堅い話が多かったので次回のシアトル第2弾は観光を中心にレポートします。