世界歯内療法会議
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- 2013年05月27日
木曜からの4日間、歯内療法の国際学会に参加してきました。
歯内療法とは根管治療とも言われ、歯の中の(神経の部屋)治療です。歯周病治療や根管治療は歯の基礎となる部分の治療です、この治療が上手くいかなければ、その上にはいる被せものや詰め物は将来やり直すことになります。
建築で言うところの基礎工事にあたります。
どんなに良い家を立てても、基礎が駄目だと建て直すことになります。残念なことに日本の根管治療のレベルはあまり高いものではありません。
その一番の原因は治療の料金設定が低すぎることだと言われています。
一番大切な治療なのに国が決めている治療の料金が一番低い。
初回は数千円の治療費が、次からは160~300円!
信じられないほど低い料金設定….。以前も書きましたが、日本の保険医療は限界に来ているのではないかと思います。
国も歯科医師会もそのことを国民に正直に言えないでいる。
現場の医師たちは疲労困ぱいしているのが現状に思います。予防にお金を使い医療費を抑える。
予防を怠った人は自己責任でそれなりの責任を取る。
喫煙してがんになった人と、喫煙しないでがんになった人の医療費が同じなのはフェアでないように思うのは自分だけでしょうか?
日ごろの手入れと定期的な除菌処置を行えば予防が可能なことが分かっている、虫歯と歯周病も同じではないかと思います。話がそれましたが根管治療は歯を残すために必要不可欠な大切な治療です。
インプラント治療も多く手掛けていますが、インプラントは神様が与えてくれた天然の歯に人間が人工物で近づけようとしている代替え治療。インプラントと天然歯、どちらが良いかは明白です。
大切なことは歯の神経を出来る限りとらない方が良いことを患者さんに伝え知ってもらう、体の一部を出来る限り保存する治療に取り組んでいくこと(でも神経取った方が治療費は高いんですよね、こういうところも保険治療の矛盾のひとつです)
どうしても神経を取るケースはいかに細菌が根管の中に入らないよう治療をしていくか、確実な治療のためにマイクロスコープを使用する等http://sawamoto-sika.kamu-come.com/microscope.html、世界では当たり前になってきている最新の科学的根拠にのっとった治療を患者さんに提供していく。
それが出来れば97%ほどの非常に成功率の高い治療なのです。ヨーロッパ、アメリカ、アジア、日本、多くの国の専門家たちが様々な演題で講演を行っていました。
いかに自分の歯を残すかに取り組んでいるDrの集まりです。
大きな発見はありませんでしたが、改めて自分の取り組んでいる治療法を整理し確認できた4日間でした。また、当院で導入予定の新しい根管治療器具http://www.youtube.com/watch?v=VpYETO5n23Iの開発者から直接レクチャーを受けいくつも質問できたことは大きな収穫でした。
留守中院内を管理してくれたスタッフと、2年連続で運動会にも参加せずに自分のやりたいことをやらせてくれている家族に感謝です!
学んできたことを、本日からの治療に反映していきたいと思います。