院長ブログ
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今日の出来事

  • 2015年09月26日
    仕事中に涙が落ちたのは今日が2回目でした。
    今日メンテナンスに来た患者さんの話をさせてください。開業して数年目に来院された患者さんで、インプラントを含め全顎的な治療をさせて頂きました。
    東京の大学病院で看護師をされていた経歴が有り、サリン事件で活躍された著名な先生方と以前お仕事をされていたそうです。

    とても素敵な女性で明るくいつも前向きで、治療中お話をする時間はあまりありませんでしたがたまに時間があるときに自分の心に沁みる言葉をいくつか頂きました。
    「人生は仕事と伴侶で決まる」
    「コーチングとは相手の話をちゃんと聞くと」

    いつも当院に感謝の気持ちを伝えてくれてました。
    我々もその素敵な方に対して医療人として出来る事を微力ながら提供してきました。

    時間や約束にも遅れる事なく、メンテナンスにもいらっしゃっています。
    5年以上のおつきあいの中で内科系の厄介な病気を煩い、本当にそうでしたがそんな素振りは一つも見せず、こちらが何時も元気を頂いていました。
    そんな彼女が3ヶ月ぶりの本日メンテナンスにいらっしゃいました。

    当院ではメンテナンスは担当歯科衛生士が行います。
    彼女の担当はチーフ歯科衛生士。
    食いしばり等の力の問題がある方なので、「時々噛み合せをチェックに来て欲しい」というオーダーがくる事があり、そのチェックと治療にたまにいく程度で本日も彼女が診療中の自分のところに来た時はそうなのだと思っていました。

    「先生、○○さんが」と言った時のチーフ顔が普通ではなく、何か有ったな!?
    と感じました。
    歯ではなく重い、重い病気にかかっていると伺ったの事でした。
    かける言葉が見つかりませんでした….。

    でも、その患者さんが僕にかけた言葉は非常に前向きで、明るく、本当に辛いのは本人なのに、私に感謝の気持ちを伝えてくれて….。

    私は生死に関わる病気になった事は有りません、医療者としてのわずかばかりの知識と技術があるだけです。
    毎日自分の知っている事を患者に伝え、治療を行っています。
    でも病気は無くならず、毎日毎日病気を必死で追いかけています。

    なぜ医療がこれだけ進んでいるのに病気は増え続けているのだろう?
    現代人に何が起きているのだろう?
    病気になる人とならない人の違いは何なんだろう?

    体は食べ物を元に作られます。
    骨などの代謝が遅い組織は別ですが、内蔵などの消化組織・筋肉は2-3ヶ月ですべての細胞が入れ替わるのだそうです。
    その元になるのは体に入れる食べ物です。

    あまりにも簡単に、当たり前に、楽に食べ物が手に入る現在。
    安く、腐らないように加工・添加した、本来自然界にない食べ物。
    人間の脳が美味しいと感じさせるようにした自然界にない食べ物。
    自分たちが何を食べているのか、子供に何を食べさせているのか考えない人々。
    そのような物が世の中に大量にあふれています。
    口の中に多くのトラブルを抱えている人たちの共通点です。

    大きな病気を経験していない自分には説得力がないのかもしれませんが、患者さんが仰った言葉は本当に力を感じました。
    「自分で作った病気だから、自分で治そうと決めました」

    そのために精白した砂糖や白米をやめ、食生活を見直し、良く噛み、規則正しい生活を心がけた結果、平常時の体温が1℃上がり、免疫力が高まり、病気が分かった当初より体調が改善しているとの事でした。

    知識としては知っている事ですが、生死に関わる病気を発症している方が実際に目の前にいて、その事を実践し前向きに自分と自分の病気と向かい合っている事、そして彼女の人間性に感動とエネルギーをいただき、涙をこらえる事が出来ませんでした。
    3ヶ月後のメンテナンスでまたあの笑顔に会える事を楽しみにしていますね。

    ※写真は非常に有名な本です。
    我々現代人が知っていなければいけない知識が、100年前に既に分かっています。
    アマゾンでは絶版ですが、NPO法人 恒志会 で購入可能だと思います。

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