症例(1)
院長より近年このような姿勢の子供が増えていると言われています。そして、このように体に歪みがある子供は歯並びも歪んでいます。 学校でも元気がなく、まっすぐ座って授業が聞けない、集中力がない、学力や運動神経が高い方ではない、などの特徴があります。 この子の場合も初診時の問診の際、常に体がくねくね動き、すぐに頬杖をついたり、まっすぐ座ることが出来なかったようです。 人間は正常に発育すれば歯はきれいに並ぶことがほとんどです。 ある著名な先生は、不整歯列(正しくそろっていない歯並び)は発達障害であると言っています。 近年、核家族が進んだこと、女性の社会進出、世の中が忙しくなったこと等で子供を取り巻く環境が大きく変化しています 母乳だけではなく哺乳瓶と人工乳を使うことが増えた、離乳食や幼児食の期間が適切でなく(短い)、食材を小さく切りすぎていたり、硬さがその子の口の中にあった状態でない、 急いで食べさせる、汚れるからと言って手掴みで食べさせない。 自宅の西洋化が進みハイハイする期間が短くなり体を支える筋肉=体幹が弱い、歩く機会・距離が非常に少ない。 食品添加物、加工食品をとる機会が増えた。 このような子供を取り巻く環境の大きな変化は数千年の人類の歴史の中で今までなかったことです、ほんのここ数十年で起きてきたことです。 当院は歯並びが悪いから矯正治療をしましょう!という治療方針はありません。 まずはこのような姿勢、歯並びになった原因を見つけ、患者さんと一緒に改善していきます。 このケースで行ったことは、体を支える正しい筋肉の使い方、体幹の筋力を鍛えること(腹筋は当初1回もできませんでしたが、連続50回できるようになりました。トレーニング後は逆上がりもできるようになりました)、 正しい飲み込み方と正しい呼吸の仕方(舌の機能改善)、歯並びを悪くする癖(頬杖や横向き寝)の改善等を指導しました。 6か月後には体の歪みもかなり改善され、それに伴い歯並びも改善されました。 矯正装置を用いた治療は全く行っていません。 本来この子が持つ体に備わった力を適切な状態にまで後押ししてあげることで、自然に発育しこのようなことが起きるのです。 我々はこのような矯正治療を予防矯正と呼び、推奨しています。 |
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