予防矯正
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院長より
虫歯の治療で来院した小学2年生のお子さんです。上下の歯の正中がズレている、上顎の左右の幅がズレている、下顎の歯並びもズレています。
お母様と一緒に問診票を確認する間も、まっすぐ座れず、話も落ち着いて聞けない、終始ダラダラしている状態でした。
全身写真では驚くほど体が歪んでいる状態でした。
運動が得意でない、集中力がない、鼻炎や風邪をひくことが多いなどがこの様なお子さんに共通しています。(もちろんそうではない方もいらっしゃいます)
当院の考えは歯並びの不揃いは、成長不全という考えです。
このお子さんが持つ本来の成長が出来ていない原因を見つけ出し、取り除いてあげることができれば本来の成長が始まります。
上顎が広がると上顎に合わせて動く下顎も成長していきます。
上顎のすぐ上は鼻腔と言われる鼻の空間です。上顎の発達不良は鼻も成長できておらず、呼吸も不良である可能性が高いことになります。
歯並びの悪い方の多くは慢性的な鼻炎があり、様々なアレルギーを持っています。
残念なことですが、耳鼻科では鼻炎の治療に抗アレルギー薬を出すだけのことが多く、原因除去を行わないことが多いと感じています。(もちろんそうではない先生方もいらっしゃります)
呼吸が不良ということは、正常なお子さんに比べ酸素不足ということです。
身体を始め学力にも影響を及ぼしかねません。
キレやすい子供の多くは呼吸不全とおっしゃる先生もいます。
さらに近年問題になっている睡眠時無呼吸症候群の改善方法として、幼少期に上顎を広げることが有効であるとするデータがあるそうです。
アメリカの睡眠時無呼吸症候群治療の世界的権威であるスタンフォード大学病院では、成長期のうちに上顎の成長を促すことで将来的な睡眠時無呼吸症候群になるリスクを大きく減少させることが出来ると言っています。
(残念ながらこの様な考えを持つ日本の歯科医師、医師はまだまだ少ないのが現状です)
この様なお子さんは体を支える筋肉が未発達で、正しい呼吸の方法、正しい食べ方飲み込み方もできていないことがあります。
当院が行ったことは歯を並べる矯正治療ではありません。
この子の将来のために必要なことをお母様にお伝えし、正しい姿勢、その姿勢をとるために必要な筋肉をつけるトレーニング、正しい呼吸の仕方、正しい食べ方や飲み込み方法を指導させていただきました。
その結果、数ヶ月でその子が本来持っている成長が開花し、その結果口の中も本来あるべき形に成長したと考えています。
このような方法を当院は予防矯正と呼んでいます。
歯並びが悪いからお金と時間をかけて矯正治療だけを提供するのではなく、その子が持つ本来の自然な成長を促すお手伝いをできるだけ早い時期に提供することが重要です。
個人差がありますがこの様なアプローチは9歳前後までしか有効でありません。
お母様にこの様な知識があるかが重要であるため、マイナス1歳(出産前)から、我々が知識の提供をすることが有効だと言われています。
また近年、身体を使うことが減り続けているため、子宮を支えている骨盤底筋群の筋力がなく、子宮自体の向きが本来の縦から横向きになっている女性が多く胎児は横向きで子宮内で成長してしまうため、頭の骨自体が歪んでいたり、難産が増えてきているのだそうです。
私は自分の子供にはこのような医療を提供したいと思っています。