MTAを用いた歯髄温存(保存)療法

この症例は動画集に載せているものhttp://www.nagasaki-implantcenter.com/movieと同じになります。

治療の動画は動画集のページからご覧ください。

 

日々の診療の中で治療のやり直しや、抜歯になるケースの大部分が歯を削り、神経(歯髄)をとった歯(失活歯)で生じています。

予防医学の礎を作ったスゥエーデンの有名な研究によると、適切な治療後、予防的なプログラムを継続した人たちのは歯を失う割合が激減するのですが、その中で歯を失った一番の原因は、神経が無い歯の根の破折(歯根破折)となっています。

まさに私が日々感じている通りのデータが数十年前に証明されています。

歯の神経を取ると15〜20年ほど歯の寿命が短くなると言われていますが、日本人はあまりにも神経を取り過ぎていると感じています。

神経を取ったり、神経をとった歯の根の中が細菌により感染を取り除く治療を根管治療と言います。

 

歯の神経の中には歯を守るための血管や様々な細胞が含まれており、歯の神経を取ることはそれらを根こそぎ取り除くことになります。

神経を取った歯は枯れ木と同じ様なことになり、感染を起こしやすくトラブルが生じやすくなります。

また根管治療の成功率は日本の一般開業医では50%以下と言われています。
かたや、欧米の専門医は94%ほどの成功率を誇るとされています。

 

日本の一般開業医の治療の成功率が低い理由は、治療のルール、原則が守られていないためだと言われています。(これらのデータはあくまで平均であり、成功率が非常に高い一般医もいらっしゃります) 詳細は根管治療のページに記載してますので参考にされてください。

 

もっとも高いレベルの医療は病気にならないようにすることですが、最悪でも神経を残することが出来れば歯の寿命は大きく伸びるはずです。

当院ではMTAと言われるセメントを用いることで歯の神経を残す取り組みを行っています。

 

残念ながらMTAは2019年現在、国が保険治療として認めていないため、自由診療となりますが、将来的に歯を失った時に喪失する費用(インプラントは40~50万円/本)、健康面、生活の質の低下を考えると、決して高い治療費ではないと私は思っています。

 

当院では患者さんに承諾を得られた際は、MTAを用いて歯の神経を残す治療を行います。
2019年2月現在、新しい治療法であり症例数は50本前後、経過期間も数年〜数ヶ月ですが今のところ2本以外の歯の神経が保存できています。
海外の論文では非常に高い成功率を誇ると報告がされています。

この治療法がもっと世の中に広がり、従来の神経を取りまくる日本の歯科治療が少しでも変化し、歯の寿命が伸びることを願ってやみません。

 

費用
¥30.000+消費税
虫歯の範囲が大きく、詰め物・被せ物を作製しなければならないケースでは別途費用がかかります

※全ての歯でこの様な治療ができるわけではなく、神経への感染の程度で治療の選択肢が変わってきます。
感染が広がってしまっているケースでは歯の神経を取り除くしかないことがあります。