インプラント治療は歯が無くなった部位の顎の骨の中にチタン製の人工歯根を埋め込み、その上に固定式の冠をいれたり、アタッチメントといわれる装置を取り付け、入れ歯を外れにくくする治療法です。
当院が考えるインプラント治療のメリットは、
入れ歯やブリッジといわれる周りの歯を犠牲にし、負担をかける治療と異なり、ご自分の歯の寿命を伸ばすことが出来ること。
入れ歯より圧倒的に良く噛めること。
であると考えています。
2000年前半当時は、歯科大学・歯学部でインプラントを骨の中に埋め込むという実習(トレーニング)を行っているところは殆んどありません。
インプラント治療の技術指導・教育を歯科大である程度の時間受講し歯科医師になる人は少ない状態です。
場合によっては、たった1日の研修会に出た後、患者様にインプラント治療を行うことがありえるということです。
私は大学病院の歯周病科・インプラント科に所属し1998年頃からインプラント治療に携わってきましたが、残念な結果になっている患者様が他の診療室から転院されてくることが時々ありました。
しかしながら自分や所属する医局内の先生方のインプラント治療で、残念な結果になったケースはほとんど見たことはありません。
Dr.Xというテレビドラマで米倉京子さんが演じる主人公が「私失敗しませんから!」という有名なシーンがあります。その裏で彼女は非常に念入りな準備を事前に行っているというシーンがあります。
インプラントも同じで、事前の検査、診断、治療計画をしっかり行えば高い成功率をほこる治療法なのです。
治療にはリスクがつきものです、インプラント治療もそうです。
世界的なデータでは90~98%と非常に高い成功率を収めている治療法ですが、100%ではありません。
(物事に100%の成功はありえませんが・・・。)
ごくまれに
「友人がインプラント治療を行ったが、経過が思わしくないので自分は行いたくない」
という方がいらっしゃいます、逆に
「知人がインプラント治療を行い、非常に調子が良いので自分も行ってほしい」
という方もいらっしゃいます。
他人の経過が○○だった、ということは1つの判断材料にはなり得るのかもしれませんが、我々専門家にとってこれらは治療を選択する参考には全くなりません。
100人の患者さんがいれば、100人ともお口の中の状態や健康状態は異なるからです。
どれだけの症例数を経験しているのか、どのくらい研鑽を積んでいるのか、術者の技術、院内の設備、これらは非常に大切な要因だと考えています。
私の所属していた、日本大学付属歯科病院 歯周病科 インプラント科では、一定数以上の歯周外科手術を経験し、かつ教授が担当医の技術知識を確認・許可後、はじめてインプラント手術を行うという決まりでした。
2023年時点で大学病院勤務時代から、22年間、平均すると年間50-80本程のインプラント治療を患者様に行ってきています。
私は何が何でもインプラントが良いとは思っていません。
インプラントは人間が天然の歯に近づけた治療法です、天然の歯に勝るものではありません。
昨今、残せる歯を抜歯してインプラントを勧める歯科医師がいることを非常に残念に思います。
どうやっても歯を残せない、周りの歯を削らないようにする、入れ歯で不自由している、などの際にインプラント治療が検討されます。
具体的な治療は、患者さんのお口の中の状態、希望、年齢、経済状態等によって変わります。
インプラント周りが歯周病のような状態になるケースが2-3年に数本生じます。
歯ブラシを怠った、喫煙、歯ぎしりがひどい、などが原因です。
現在のインプラント治療は診査・診断・治療計画をしっかり立て、然るべき知識と技術と設備を持つ歯科医師が、治療のルール、原則を守れば高い成功率をほこります。
被せものが入れば治療自体は終了しますが、歯科医院とのおつきあいは終わりではありません。
インプラント自体が悪くなることはまずありませんが、インプラント周囲の歯肉や骨が歯周病のような状態になることがあります。
インプラントの骨の中に入る部分はネジ切りがされており、さらにその表面は骨との結合を促すためにザラザラに荒く処理されています。
この部分に細菌が侵入してしまうと、除菌することは簡単なことではありません。
したがって骨の外側の部分だけに感染を起こした時点で早期発見し、然るべき処置を取る必要があります。(歯茎だけの炎症であれば元の健康な状態に戻すことができます)
ご自分の歯と同様、患者さんの普段からの手入れと歯科医院での定期的なメンテナンスが良い状態を長く維持することに繫がります。
日本のインプラント治療をリードしている、 |
より安全・確実に ~インプラント治療支援システム「Simplant」「Landmark System™」 | |
当院ではインプラント手術支援システムの日本トップシェアであるデンツプライシロナ社のSimplantとアイキャット社のLandmark SystemTMを採用しています。撮影したCTデータをコンピューターで解析することにより、一歩進んだ安心・安全な手術を実現しています。
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診査・診断
より詳しい診断のために歯型を取り、ステントと呼ばれる装置を作製した後CT撮影を行います。安全で正確な治療を行うため必要不可欠な検査となります。
そこからさらに最新のインプラント手術用シミュレーションソフトで診断を行い治療法を立案します。
CTデータをインプラント手術のシュミレーションソフトに読み込み コンピュータ上でインプラントを埋め込み、より詳しく治療計画を立てます |
患者さんの顎の骨を3Dプリンターで作成します | シュミレーションデータを元にサージカルガイド (インプラントを埋入する際に用いる道具)を作成します |
模型とシュミレーションデータを重ね合せ サージカルガイドを作成することもできます |
このガイドを手術中に用いることでシュミレーション 通りにインプラントを埋入することが可能になります |
口の中にサージカルガイドを装着しインプラントを埋入します | シュミレーションした位置にインプラントが正確に埋入されています | この様なステップを踏むことで機能も見た目も優れたインプラント治療が可能になります |
内科的な病気、飲み薬、喫煙などの習慣は治療に影響を及ぼします。
糖尿病はインプラントの成功率を下げることがあります、他にも血圧や骨密度等のお体の状態が治療に影響を及ぼすことがあります。
適切な範囲内にコントロールがされていれば、治療は可能です。
骨粗鬆症の薬を飲んでいる方で、歯やインプラントが歯周病になると顎の骨が壊死する事が、稀に起こる事が報告されています。
喫煙は治療の成功率を下げます。
禁煙のアドバイスや医科の禁煙外来への紹介も行っています。
人間ドック等で血液検査等を定期的に行っていない方には内科での検査を、
金属アレルギーのある方は皮ふ科でのアレルギー検査をお願いしています。
処置内容の説明
CTデータを基にシュミレーションを行い、治療方法・治療の流れの説明を行います。
また、当院はインプラントコーディネーターの資格をもつスタッフが受付に常駐しております。
患者さんの不安やご質問はお気軽にご相談ください。
インプラント埋入処置
インプラント埋入処置は通常は1~2時間で終了し、そのままご帰宅できます。
複雑で時間がかかるケース、外科処置に不安がある、血圧が不安定な方等は大学病院の歯科麻酔科で研鑽を積んだ歯科医師がが全身管理を行いながら、静脈内鎮静法を用いて無痛治療を行います。痛みを殆ど感じないない状態でより安全に処置を行えます。
消毒、治癒期間
処置部位の消毒を行います。
インプラントと顎骨がつくまでの間に残りの歯の治療を行っていきます。
骨の条件が良ければ下顎で約2ヶ月、上顎で約3ヶ月でインプラントと骨は結合します。
結合後に型取りを行い仮歯や最終的な冠を入れていきます。
医療が発達し専門性が高まるほど、治療は高度化・複雑化していきます。
テレビ等でご覧になった事もあるかもしれませんが、より安全で確実に高度な治療を行うため、多くの人間が外科処置にはたずさわります。
インプラント治療も同じと澤本歯科医院では考えています。
インプラント治療は体の中に人工臓器を埋め込む処置です。細菌が体の中に入り込まないために様々な準備が必要です。
専用手術室の完備、清潔域(消毒・滅菌ゾーン)を介助する第1介助、それ以外を担当する第2介助。
複雑で時間がかかる手術の際には、歯科麻酔医が来院します。
インプラントを埋入する医師1人ではなく、チーム医療を行うことで、より安全・確実に治療を行うことが出来ます。
インプラントが骨と結合した後は、その上にかぶせ物や入れ歯を作成していきます。
この部分には歯科技工士の技術が大きく関わります。
県外の高い技術を持つ歯科技工士が患者様のお口に合わせ、オーダーメイドで精度の高いかぶせ物を作成します。
滅菌された布で様々な部分を覆います | 第1介助、第2介助 | 歯科麻酔専門医による全身管理 |