院長ブログ
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日本の歯科医療の現状

  • 2009年07月17日
    つい先日、中国製の玩具から鉛が検出され大騒ぎになりました。
    餃子事件も真新しい事件です。
    今度は、体の中に入れる「中国製の入れ歯から鉛」が検出されたとのことです!http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080314-00000002-cbn-soci皆さんの口の中に入る入れ歯・かぶせ物を、中国で作成するケースが増えています。
    1番の原因は、今の日本の歯科医療費が異常に低いからです。

    例えば、患者様の口の中に金属製の小さな詰め物を入れると3000円前後の治療費が歯科医院に入ります。(今時完全オーダーメイドのアクセサリーでも3000円で買えませんよね)

    その中から詰め物を作成する歯科技工士さんに1500円程支払い、金属代も歯科医院が負担しています。
    結果として、歯科医院に入るお金は1000円くらいでしょうか?

    それを歯科医師1人・歯科衛生士1人の計2人で30分かけて患者様の口の中に入れる=時給換算で1000円の仕事です。
    さらにそこから電熱費・医療機器・材料費が引かれます。
    保険診療は下手すると赤字になるわけです、さらにキャンセルする人も中にはいます。

    どうやって経営を成り立たせるかというと、
    ・ 劣悪で安い材料を使う(写真で載せています)
    ・ 安く作ってくれる技工所に頼む(今回の鉛事件がこのケースですね)
    ・ 時間をかけず患者さんを流れ作業のように多く診る(治療のクオリティーが下がり治療のやり直しが増える)

    先日、以下のような記事が医療・介護ニュースに出ていました。

    ここ20年の間に消費者物価が1.5~2倍になり、国民生活も様変わりしている。
    にもかかわらず、歯科医療の根幹となる保険診療の基本的技術料が変化していないことに関して、小池晃・参議院議員(共産党)は
    「20年間も(保険点数の)引き上げが行われていないことは、この間の物価・人件費の伸びなどと
    比べても、明らかに均衡を欠く」 と追及。

    これに対し厚生労働省は「歯科診療報酬については、物価、賃金等の動向、経営状況、医療保険財政の状況等を総合的に勘案し、(中略)、必要な事項については重点的に評価し、適切に設定している」 と答えている。http://news.cabrain.net/article/newsId/14151.html

    役人の言うことは何時も???です。

    上記の通り、保険制度は20年殆んど変わっておりませんし、逆に悪くなっていっているように私は思います。

    日本人の大部分の方に入っている、銀歯・銀色の詰め物は約50年前に生まれた治療法です。
    海外の方で口をあけたときに銀歯が見えている人を見たことがありますか?

    保険で使用が義務ずけられている金属は、パラジュウム合金と呼ばれ金・パラジュウム・銅・亜鉛・銀・錫等の金属を混ぜて作られています。

    10円玉は銅で出来ていますが、水の中にしばらく浸けるとどうなるか御存知だと思います。
    そうです、青く錆びていきます。
    亜鉛・錫・銅などの金属は錆びながら体の中に溶け続けて行きます。

    安いピアスや時計を着けると、かぶれたりする話を聞いたことありませんか?
    理由は使っている金属が溶け出し体に吸収され続け、突然アレルギー反応を引き起こすためです。
    アレルギーは一度引き起こされるとまず治ることがありません。

    我々歯科医療従事者は患者さんを健康にすることが仕事のはずなのに…。
    自分・家族・スタッフには絶対に行わない治療を患者さんに提供する…。

    そのような理由から当院では、詰め物・かぶせ物の型を取る前に、かぶせ物の種類・費用等の説明を行っております。
    我々には説明する義務が、患者様には治療法を選択する権利があると考えるからです。

    あなただけでなく・家族・友人・恋人 皆の健康に関する問題です。
    「財政難・財政難」と言いながら女神大橋や夢彩都前(長崎市の名所?です)の必要性が?な道路を作り、福祉や医療費を圧縮し続ける今の政治。(年間2200億円!!削減していっています)

    皆で考えていかなければいけない問題だと思います。

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