こんにちは、院長の澤本です。 ここでは当院の医療理念に関してお伝えしたいと思います。
日本人は歯を削りすぎではないでしょうか? 患者さんにとって本当の利益とは何でしょうか? 虫歯になった歯を削って被せたり、保存出来ない歯を抜いてブリッジ、入れ歯、インプラントを入れ続けることは本当の患者利益なのでしょうか? 被せものやインプラントはご自分の歯より優れているのでしょうか?
被せものの平均寿命は何年ぐらいかご存知でしょうか? 平均で5年というデータが出ています。 歯を抜いた際、両隣の歯を削りつながった被せ物を入れるブリッジと言われる治療の寿命は8年というデータが出ています。 奥歯のブリッジの10年後の生存率ってどのくらいかご存知ですか? なんと31.9%!!!というデータを北海道大学が出しています。 この事実を理解した上で治療を行う歯科医師と、治療を選択している患者さんがどれくらいいるのでしょうか?
おそらく1%もいないのではないのかと私は思っています。 自分たちが行う治療法の生存率も知らないで治療を行っている歯科医師が殆どという事実。 ほんとうに残念なことなのですが、これが現実です。
この寿命は被せものが壊れて寿命を迎えるのではなく、被せているご自身の歯がさらに悪くなり、再治療が必要になることがほとんどです。 治療を繰り返す度に歯の寿命は確実に短くなっていきます。
今の保険診療制度は歯を削り、抜き、入れ歯を入れ、被せた歯の数や量で治療費が決まっています。質は問われていません。 多くの患者を診て、沢山歯を削るほど多くの利益が出る仕組みとなっています。 神経を残す処置より、神経を取り除く治療の方が治療費が高く設定されています。
その様な医療が広まっていってしまった結果、あなたの口の中はどのような状態でしょうか? 銀歯や詰め物が複数入っていませんか? 神経を取ってしまった歯はありませんか? 抜いた歯はありませんか? 今の医療制度を50年近く前からほとんど変化しないまま続けてきた結果、日本人の口の中の健康は他の先進国と比較し良い状態なのでしょうか?
予防が一番優れた医療虫歯になり歯を削ったり、歯周病になり治療を行うことよりも、これらの病気を予防する事の方がずっと大切で意義があることだと私は考えています。 歯は削れば削るほど弱くなり、一度歯周炎になった歯は完全に元の状態に戻ることはありません。
歯の神経がダメになると15年程一気に歯の寿命が短くなります。神経をとってしまうと20〜25年後には抜歯になるといわれています。(あくまで平均ですが) 20歳で神経をとると40歳代には抜歯になるということです。 先ほどのブリッジと同じで、このことを理解した上で歯科医師は治療を行う、患者は治療を受けるならまだ良いのかもしれません。 先進国の中でこんなに歯の神経をとって、銀歯だらけになっているのは日本人だけなのです。 「安くて早い」治療が良いと思っている日本。
この様な医療がまだ行われている原因は、今の医療制度の問題と治療法や予防法に関する情報・知識・技術を多くの歯科医師がアップデートしていない、その情報は国民に伝えられていないためです。 保険診療は治療を行わなければ費用が発生しないシステムであるため、保険診療を医療の中心と考えている医院では、世界基準の治療法は知らないですし、口の中に関する正しい知識を患者さんに提供する意識は低いと言わざる得ないのが現状です。(予防するより治療する方がお金になるシステムが原因です)
他の国で用いられている新しい医療が日本の保険診療に導入されるためには、莫大な時間と費用が必要になるようです。 あきれる話なのですが、世界中で既に数万本用いられている新しいシステムのインプラントを日本で認可とるために数年かかり、認可が取れた時にはもう次の世代のインプラントが世界では販売されている。 日本は旧タイプの在庫処理をしてもらう国になってしまっている。 世界のスピードに行政・官僚が作った昔ながらのシステムがついていけていないと言わざる得ません。
正しい歯のケア方法を習得しましょう。 口の中の病気の多くは細菌により引き起こされます、その細菌の数を病気が発症しない範囲内にとどめておく必要があります。
基本は歯ブラシです。 歯を磨かない方はいませんが、正しい磨き方が出来てない方がほとんどです。 正しい歯の磨き方を知らない方が多く、我流で適当に歯を磨いています。正しいブラッシング指導を行っていない歯科医院にも問題ありです。 さらに日本人はフロスや歯間ブラシなど、補助的清掃器具を使用している方が非常に少ないといわれています。 これらも日本の医療が治療中心であるため、歯の手入れ法を伝える十分な時間が取れていないためと思われます。
食生活を始め、生活習慣はあらゆる健康に大きく影響を及ぼしています、虫歯や歯周病は生活習慣病の一面を持ちます。 体は呼吸と食べ物で作られています。 なぜこれだけ医療が発達しているのに病気は増えているのでしょうか?
保険のCMでは「2人に1人が癌になります!」とはやし立てています。 ウツ病やアルツハイマー型認知症などの脳の病気は増え続けています。 糖尿病や高血圧も増加しています。
簡単に、楽に食事をしようとしている方、自分や家族が何を食べ、何を身体に入れているのかあまり考えていない方がいるように思います。
清涼飲料水、スナック菓子、コンビニの弁当を代表とする工場で作られている加工食品を頻繁に食べていませんか? 食品の裏側の表示を見ないまま買い物をしている人は、毎日どれ位の遺伝子組み換え食品が身体の中に入っているか考えた事がありますか? なぜ遺伝子組み換えをしているのか考えたことはありますか? 日本は世界で有数の遺伝子組み換え作物の消費国です。
世界中の先進国が脳に悪影響を与えるため食べてはいけないとなっているマーガリンや、発がん性の疑いのある添加物まみれのパンを食べていませんか? 肥満や糖尿病の原因になり得る精白した米や小麦粉を毎日食べていませんか?
私の経験談になりますが重症の歯周病、多くの虫歯、歯がない方の大部分が食に関する意識が低い方が多いようです。(もちろんそうではない方もいます) 何を食べるべきで何を食べるべきではないか。 身体は食べ物から作られています、治癒力や免疫力の基礎は食べ物です。 口の中に入れるものにもっと興味を持つべきではないかと感じています。
まずは食品の裏を見て、そこに表示されているものが何なのか?興味を持ち調べてみましょう。
病気には原因があります。その原因を見つけ出し、取り除くことで多くの病気は予防が可能で、治療後の再発も少なくできるはずです。 原因を取り除けば治療の効果も上がります。 当院は病気を予防することが一番優れた医療であることを患者さん自身にも気づいていただき、それをサポートする医院でありたいと考えています。
なぜ病気になったのか、その理由も知らず、病気の原因も取り除かないまま治療だけ受け続けている方が多くいるように感じます。 薬で病気は治っていますか?高血圧症の薬や糖尿病の薬は病気自体を治していますか?飲むのをやめれば元に戻りますよね。 一生その薬を飲み続けるのですか?副作用のない薬ってあるのでしょうか? 歯を削って詰めたらしばらくするとその歯は治っていますか?(天然の歯に戻りますか?)
医者には病状・治療法を説明する責任があり、患者は治療を知り、選択する権利があると考えています。自分の体がどのような状態で、どの様な治療が必要で、どのような治療を行うべきなのか、そのことを知らないまま、知ろうともしないまま治療を受けている方がいることを非常に残念に思います。 一番大切な自分の健康を全て人任せにしてしまっていないでしょうか? 今はほしい情報が手に入る時代です、昨今言われている患者力を高める必要があるのです。
歯はご自分の大切な体の一部です。削ってしまったら、二度と元に戻すことは出来ません。 抜いてしまえばどんなにお金をかけてももう二度と手には入りません。 インプラントは天然の歯には勝てません。
当院ではできるかぎり病気を見落とさないよう、必要な検査を行い、その結果を説明し、どの様な治療を行うべきなのか、治療法が複数あるケースはそれぞれの治療法のメリットとデメリットを説明し、患者さんが納得して選択した治療を受けてほしいと思っています。
安心安全な医療安心安全な医療を提供するためには、医療器具の確実な消毒・滅菌と、術者の高い技術と知識が欠かせません。 歯科医療は医療機器が唾液や血液などの体液に触れる行為が非常に多いため、消毒・滅菌は非常に大切です。 消毒・滅菌のレベルには世界規格があります、しかしながら今の日本の制度ではそれが低いレベルであろうが、高いレベルであろうが診療費には全く反映されません。(2017年時点) (それこそ消毒・滅菌を行ってなくても何のおとがめもありません、調べられることすらありません)
「消毒滅菌は愛です」とある著名な先生が仰っていました。 患者さんには見えない部分ではありますが、当院は医療者としての誇りを忘れず、消毒・滅菌に労力を費やすことを約束いたします。
当院は高いレベルの治療を提供したいと考えています。 残念ながら歯科医師の技術、知識、治療の質は保険診療費には反映されていません。
卒業したての歯科医師であろうが、専門医(2017年現在、国が認可した専門医は口腔外科、矯正、歯周病、補綴、歯科麻酔です。院長は歯周病学において日本でトップレベルの大学病院で9年間勤務し、歯周病専門医の資格を習得しています)であろうが、一般医であろうが、誰が治療しても同じ診療費です。 おかしいと思いませんか?
天然物の魚を用いて一流の寿司職人が握った寿司と、養殖の魚をアルバイトが握った回転寿司が同じお値段なのが今の日本の医療制度です。
進行した虫歯をある程度取り除いて(多少取り残して)詰めておけば、後は自然治癒するということは絶対にありません。 取り残した虫歯の中にいる菌は次第に増殖し、虫歯は進行していきます。 被せものと自分の歯との適合が悪ければ、その隙間にはまた細菌が入り込み悪くなります。 歯の治療は非常に繊細で細かく、高い技術と精度で治療を行わなければまた悪くなるのです。 そう考えると肉眼での治療では限界が生じ、顕微鏡やルーペなどを用いた拡大視野での治療がマストになります。
十分な設備と歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士の技術と知識が治療の結果に大きく影響を及ぼします。
病気の原因を見つけ、患者さんと一緒にその原因を取り除き、病気の発症自体を減らす知識と技術があると自負していますし、病気の正しい治療法も持っています。 これからも研鑽を続けて行きたいと考えています。 当院での治療に限度があるケースでは大学病院の専門医以上のレベルにいる先生を紹介しています。
病気になる原因・生活習慣を改善することが患者の責任、病気になってしまった箇所を手を抜かず高いレベルで治療するのが歯科医療従事者の責務。 この考えに賛同していただく方に我々は力を尽くしたいと考えています。
2016年05月17日 澤本歯科医院院長 澤本佳宏 |